「自律的なキャリア形成」が今なぜ必要と言われるのか

これまでは、一定の経済成長という背景のもと、一つの会社に一生勤め上げることを前提とした働き方が一般的でした。会社と社員は明確な「主従関係」にあり、会社の指示や命令に忠実に従い、与えられた役割を全うすることが当たり前とされてきました。その見返りとして、経験や勤続年数に応じて賃金も退職金も右肩上がりに増えていくという、安心感のある「既定路線」が存在していました。キャリアについても、会社が用意した道を進めばよく、社員も会社に任せておけば安心な時代でした。

しかし、これからの時代、会社と社員の関係は「対等」なものへと大きく変化しています。もはや会社にキャリアを委ねることはできず、これからは「自分のキャリアは自分でこの先どうするのか」を自ら考え、設計していく必要があります。

現在は「VUCA※」と呼ばれる、非常に変化が激しく先が見通せない時代です。このような予測困難な環境の中では、会社からの指示を待って動くだけでは変化に取り残されてしまいます。これからは、自ら主体的に学び、自分の頭で考え、目まぐるしい環境変化に柔軟に対応できる人材が強く求められています。

また、その学びや経験の場は、会社の中だけにとどまりません。社外へ飛び出し、新たなビジネスやコミュニティに身を置く「越境学習」の重要性が高まっています。例えば、以下のような活動が挙げられます。

  • 副業を通じたビジネス経験
  • プロボノ活動でのスキル提供と社会貢献
  • 他社やプロジェクトでのインターン など

このような社外での全く異なる経験や知見を個人が社内に持ち帰り、それが組織内で循環していくことで、新たなイノベーションの種が生まれることが期待されているのです。

かつてのように会社が用意した既定路線を歩むだけの時代は終わりつつあります。自分のキャリアの舵取りを自ら行い、新しいことへ積極的に挑戦していく人材が、ますます必要とされています。

※VUCA(ブーカ):Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの英単語の頭文字を合わせた造語。社会やビジネス環境が目まぐるしく変化し、将来の予測が極めて困難な状態のこと。

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