昨今、人的資本経営への関心が高まり、有価証券報告書に「エンゲージメント向上」を目標として掲げる企業が増えてきました。それに伴い、年に一度人事部からエンゲージメントサーベイ(従業員アンケート)の発信があり、WEB上で20〜30分ほどかけて回答している方も多いのではないでしょうか。
他社比較ができるツールも多数ありますが(個人的には自社の状態を他社と比較することにあまり意味はないと感じています)、せっかく実施したサーベイの「その後の運用」に大きな課題を抱えている企業が少なくありません。
調査結果が「管理職の密室」で終わっていませんか?
歴史のある保守的な企業でよく見られるのが、「サーベイの結果を部長や課長といった管理職にしか開示しない」というケースです。
これでは、せっかく時間を割いて回答した一般社員からすれば、「なぜ結果を教えてくれないのか?」「見せられないほど悪い結果だったのではないか?」と不信感を募らせる原因になってしまいます。管理職だけがデータとして現状を把握していても、それだけで組織が変わることはありません。
組織を変える第一歩は「現状の開示」と「対話」
本当に組織を良くしたいのであれば、一般社員にもありのままの現状を開示し、その結果について率直に話し合う「対話の場」を設けることが不可欠です。
そこで求められるのが、心理的安全性の高い職場づくりです。
「言うべきことが言えない職場」は、特に若手や中堅社員の退職理由に直結します。だからこそ、管理職は自ら歩み寄り、誰もが本音を話しやすい環境を整える工夫が必要です。
上からの指示ではなく「みんなで創る組織」へ
管理職に求められるのは、本気になって「自組織の弱点」をさらけ出し、改善に真摯に向き合う姿勢を、対話の場で社員に直接伝えることです。
上からの指示で無理やり変えるのではなく、「みんなで組織を一緒に変えていく」。
このスタンスを持つことこそが、エンゲージメントサーベイを真に意味のあるものにするために最も大切なのです。
